部室のドアを開けるそこには日本刀で刻まれたような鋭い目、気弱を寄せ付けないような威勢のあるオーラ
「何でいるのかな〜」
「誰あの女性。喧嘩強そうだね。」
「あれは弦楽器部の部長。ヒトラー的存在感を持つ先輩の東江さん。あの人にこの案を説明して通過できれば多分開催できると思う」
東江がこっちを見る。やはり威勢があり少し怯む。
「これはこれは三流演奏家の誰だっけ?そうそうゴミ内君でした。そうでした」宮内の体が少し揺れた。
「あなたにどう言われようと構わないですがこの甲斐君が不快に思うのでやめていただいてよろしいですか」
聡は俺と同じように語尾に敬語をつけて敵を怯ませていた。しかしイタチがライオンに歯向かうようなもの。東江は全然怯んでないない。
「その甲斐だっけ。君何の人?バカ宮のの友達?」
「いやいいです。あなたには関係ないことですし」
聡は目線で別の場所に行こうと合図した。
「ごめん。気にしないで。ああ言う人だから。そのうち慣れると思う。」
少し申し訳なかった。俺のせいで聡が痛い思いをすることになったから。
「で、どうしようか復興コンサート。まず題名決めたいんだけど」
「う〜ん。復興コンサートじゃ何の捻りもないような感じだからな。海と樹海のコンサートとかは?」
「なんで樹海なの?」この一言で聡がちゃんとこの島について勉強してないことがバレる
「今度この校舎の周りに復興のシンボルとして樫の木が植えられることになってるんだ。その樹海の中で演奏したらどうかなって思って。」我ながら天才だと思う
「え、、天才すぎない?そんな案全然思い浮かべなかった。じゃあもうちょっと色があった方がいいと思う」
「じゃあ蒼い海と緑い樹海は?」
「それ最高!めっちゃいいね」
「でしょ!」
そのように屋上から真っ青の空へ楽しい声が響いた
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放課後宮内は私情のために、明日(休日)打ち合わせしようと決め、先に仮の住まい(体育館)に帰っていった。俺は一つやりたいことがあったので三組に向かった。酒井に話がしたかったのだ。昏睡状態から覚めた酒井はまだ見てなくどうなっているのか気になった。
「コンコン」三組のドアにノックする。
ドアを開けるとそこには酒井が一人で帰宅の準備をしていた。