「何が起こっていたんですか」自然に口からぽろりと出てきた。
「頭を強くぶつけたことによる急性硬膜下血腫です。その影響で意識障害が起こったようです。もう5分気づくのが遅ければ命は無かったかもしれません。」
後々詳しく聞いたが頭を打った直後は意識があったらしいが数時間後に意識障害が起こったそうだ。
Chapter three 9月
「おはようございます」
学校の授業が再開したのは夏休み明けよりも少し遅い九月第二週だった。
やはりこの「おはようございます」は少なかった。両親を失った悲しみに暮れる生徒や家が押し流された生徒もいるため登校はまだ自由の範囲内だった。俺は宮内に弦楽器部に所属するか否かを伝えるため学校に来た。しかし弦楽器部の部室があったサークル棟は津波に全て飲み込まれていた。
「あ、昴君。お久しぶり。学校きてたんだ」おっとりしている聡の口調はなぜか耳に残っていた。
「聡、部活のことだけど。」
「あ、うん。考えてくれた?」
「弦楽器部、入ることにしたよ。『諦めを超えた先に絶対はある』。最初は諦めてたけどそれを超えた先には友と一緒に楽しめる絶対はあるのかなって思ったから」
「じゃあ決定だね。早速お仕事頼みたいんだけど。」
本当に早速だ。まだ入部して3秒くらいしか経っていないのに。
「今度復興コンサートをしたいと思ってるんだけど。」
「復興コンサート?」
*
「復興コンサートって?」
「今いろんな人たちが心の病に陥っている。それを楽器の力で紡いでいく。そういうコンサート。」
「スンバラシイ案だと思う。」
「だけど一年会議は通過したんだけど先輩会議がまだ通過してない。いや多分通過できない」
「なるほど。口なら任せて。論破が大の得意だから」
「頼もし〜やるんだったら多分11月だと思う」
「あと二ヶ月か、、頑張って間に合わせよう」
「後昼休みに打ち合わせしようと思ってる。まあ、仲間は昴君しかいないけど」
↓
「ねえ昴君食べながら話せるよう仮部室行こうよ」
「せやね。教室で食っても陽キャにバカにされるだけだし」
仮部室に移動しながら来週に控える中間試験について話しているとやはり二人とも頭がいいのか、話が盛り上がった。
「頭を強くぶつけたことによる急性硬膜下血腫です。その影響で意識障害が起こったようです。もう5分気づくのが遅ければ命は無かったかもしれません。」
後々詳しく聞いたが頭を打った直後は意識があったらしいが数時間後に意識障害が起こったそうだ。
Chapter three 9月
「おはようございます」
学校の授業が再開したのは夏休み明けよりも少し遅い九月第二週だった。
やはりこの「おはようございます」は少なかった。両親を失った悲しみに暮れる生徒や家が押し流された生徒もいるため登校はまだ自由の範囲内だった。俺は宮内に弦楽器部に所属するか否かを伝えるため学校に来た。しかし弦楽器部の部室があったサークル棟は津波に全て飲み込まれていた。
「あ、昴君。お久しぶり。学校きてたんだ」おっとりしている聡の口調はなぜか耳に残っていた。
「聡、部活のことだけど。」
「あ、うん。考えてくれた?」
「弦楽器部、入ることにしたよ。『諦めを超えた先に絶対はある』。最初は諦めてたけどそれを超えた先には友と一緒に楽しめる絶対はあるのかなって思ったから」
「じゃあ決定だね。早速お仕事頼みたいんだけど。」
本当に早速だ。まだ入部して3秒くらいしか経っていないのに。
「今度復興コンサートをしたいと思ってるんだけど。」
「復興コンサート?」
*
「復興コンサートって?」
「今いろんな人たちが心の病に陥っている。それを楽器の力で紡いでいく。そういうコンサート。」
「スンバラシイ案だと思う。」
「だけど一年会議は通過したんだけど先輩会議がまだ通過してない。いや多分通過できない」
「なるほど。口なら任せて。論破が大の得意だから」
「頼もし〜やるんだったら多分11月だと思う」
「あと二ヶ月か、、頑張って間に合わせよう」
「後昼休みに打ち合わせしようと思ってる。まあ、仲間は昴君しかいないけど」
↓
「ねえ昴君食べながら話せるよう仮部室行こうよ」
「せやね。教室で食っても陽キャにバカにされるだけだし」
仮部室に移動しながら来週に控える中間試験について話しているとやはり二人とも頭がいいのか、話が盛り上がった。