蒼い海と緑い樹海(あおいうみとあおいうみ)

CONTENEWE
Chapter one 5月・6月・7月
Chapter two 終わりの夏休み
Chapter three 9月
Chapter four 病みの10月・11月
Chapter five 閉幕





           Chapter one 5月・6月・7月

外を見たらこの真っ青の空に同化した青淡色の珊瑚礁が綺麗な海が見えた。
こんな僕には一番似合わない景色だ。いや真反対だと思った。このまま海に飛び込んでしまってもいいと思う。
しかし、この時はまだ思いもしなかった。本当にこの海に飛び込もうとするとは。
                     *
「おい、隠キャ。お前はいつまでガリ勉してんだよ。」
「勉強することは何かの罪なんですか?」
「てめーさ。何反抗してんの?うざいんだよ。マジ目障り。」
「じゃあ消えろとかでも言いたいのですか?」
「そうだよ。さっさと消えてくれ。お前がいない方がこのクラスは成立すんだよ」
「そうですか。ならばすぐ下校します。放課後勉強するなら他のところがいいようなので」
全く。そう言うあいつらこそあんなクラスにいらないよ。消えろ。
「大変だ〜!隠キャに恋人ができた〜!」
ふざけるな。僕に好きな人なんているものか。デタラメ言うほどの時間あったら勉強しろよ。
「デタラメ言うのやめていただいていいですか?迷惑なんですけど」
「反抗するなって言うのがわからないのかな〜?さっさと消えろよ。」
だったら消えてやろうじゃないか。、、、あの場所がいいな。

「どうせできないくせに。なんでこんな高台に来てしまうんだ。いやもう消えよう。決めた。」
この島特有の天気だ。初めて思った、蒼い海に純白の砂浜と同じ色の白波を見た時、少し涙が出た。
この景色はこの島にしかない。この景色を見るのは最期だ。最期になると思う。この短い人生でこの景色が一番好きだった。
一度海に一礼する。遺体を引き上げる方々、ご迷惑をかけます。
『ねぇ、ここの景色はほんとにきれいだよね。まさかだけど・・・ここから飛ぶ人なんていないよね』
「だれですかあなた?まさか僕の心を読みました?」
『あれ?学年通信読んでないの?私は先日名古屋から転校してきた酒井です。よろしくね。』