【プロット】ドラゴン子育てはスローライフには程遠い

・山内創 異世界では「ヤマウチ」

連日出勤を繰り返す中、いつか大きくてふさふさの犬と暮らすことを夢見て自分を慰めていた。ドラゴンの子育てをする生活はどう考えてもスローライフではないと思っているが、めちゃくちゃ楽しいとも思っている。でもめちゃくちゃ大変なのでユウが手伝ってくれてとてもありがたい。そんなに大変ならドラゴン売れば、と言われるとガチギレする。ドラゴンたちは家族なので、ウロコや羽根が売れることはわかっているが成長の記録だとついついとっておいてしまう。ユウが自分に好意を持っていることはなんとなく気づいているが、未成年に見えるユウとそういう関係になるのはダメだと思っている。ドラゴンの赤ん坊がたくさんいるので、おんぶ紐と抱っこ紐はフル活用している。


・ユウ ドラゴン

怪我をしていたところを助けてくれたヤマウチのことが好き。他のドラゴンたちのことも大切にしてくれてすごく嬉しいしヤマウチのことがますます好きになるが、高位ドラゴンとしてのプライドから真っ直ぐに好意を伝えられない。照れているとも言う。人型の時は18歳くらいの女の子になるので、ヤマウチから子ども扱いされている気がするのも悩み。子育てを手伝ってくれて嬉しいと言われるが、ヤマウチばかり忙しく自分は割と休ませてもらっているのも不満。いつか番になりたい。定期的に自分は182歳だからヤマウチと番になっても大丈夫、とアピールするが長生きで偉いと褒められるだけで終わっていて解せない。


・村瀬透 異世界では「ムラセ」

娘が産まれて一ヶ月という頃に勤めていた会社が潰れた。再就職がなかなか決まらず、就活をしながら娘の世話をし、妻が働きに出るという生活を長く続けていた。貯金を切り崩し細々と生活する中、娘が病気になった。治療はなかなか上手くいかず、海外で効く薬ができたが日本ではまだ認可されていない。このままでは死んでしまうからと海外で治療をすることも検討するが、お金がないためどうにもできず、闘病の末娘は亡くなった。しばらく泣き暮らしていたがお互いの顔を見ると娘を思い出して辛いと離婚することになる。人生に絶望しながらふらふらしていたところで死に、異世界転生する。金が無ければ必要なときに何もできない、と異世界で一番金になるドラゴンを使って稼ぐことにした。
1話

連日出勤を繰り返す山内はいつの間にか死んでおり、気がつくと目の前に神がいて異世界に行くように言われる。願いを聞かれ昔から夢だった大きな家でのんびりと大きな犬と暮らすことを夢見て願いを言い、異世界の森の中の大きな家に飛ばされる。のんびり暮らせる! 仕事漬けの生活とはおさらばだ! と思っていると森の奥から悲鳴が聞こえて見に行く。大型犬サイズのドラゴンが倒れていて血を流していた。慌てて抱きかかえて連れ帰る。ドラゴンは多少抵抗したものの言葉が通じるのか「大丈夫だから」「手当てするだけだよ」と宥めていると静かになった。ドラゴンは人懐っこい性格だ。ヤマウチはそういえば大型犬じゃなくて大きな生き物って言ったから神様間違えてドラゴンにしちゃったのかなと気づく。でも可愛いからいいやとユウと名付けたドラゴンと共に暮らすことにした。


2話

ヤマウチはユウに教えてもらいながら森の中で取れた果物などを食べる生活を始めた。ユウは小さくなってヤマウチの肩に乗るのを楽しんでいて、ヤマウチもそれを可愛く思っていた。ある日、ユウが激しく鳴いて森の奥にヤマウチを連れて行った。そこには赤ん坊ドラゴンがいた。ユウの時と同じように連れ帰るも、ご飯も一人で食べられない赤ん坊の世話をするのは大変で物資も足りないため、ヤマウチはユウを肩に乗せ赤ん坊を抱っこし、近くの村に出かけた。村の人は最初ドラゴンを見て驚いていたが稀にいる善良なドラゴンなのだろうと納得してくれた。ヤマウチはここで初めてドラゴンは怖いと多くの人が恐れていることを知る。そしてこの世界に魔法があることも知り、家事魔法を習って赤ん坊のためのオムツを縫う。一匹赤ん坊ドラゴンが増え、少しずつ賑やかになりながらヤマウチの生活は続く。


3話

元々家にあった物や森で手に入れる物だけでは生活が苦しくなり、村の人に相談するとドラゴンのウロコはお金になると教えてくれた。時々ユウからは生え変わりのためかウロコが落ちていて、綺麗でとっておいたので頼み込み数枚売らせてもらうことにした。街に出てこの世界で初めてたくさんの人や店を見て混乱する。ウロコをどこで売ればいいのかわからず、近くにいた人に声を掛ける。少し驚いた顔をしながら自分が買い取る場所を教えてくれた。自分もよく売りに行くのだと言うその男はムラセと名乗った。日本の名前っぽくて親近感が湧くな、と思いながらヤマウチはお礼を言ってウロコを一枚ムラセに渡した。ウロコはかなりの金額で買い取ってもらい、食材をたくさん買い込んで帰宅し、その日は久しぶりのご馳走だった。

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