「空気?」
はっ、と現実に戻ったのはその言葉を耳にしたすぐ後だ。
「家に帰っても私のことを空気扱いで家に入れてくれないんです。」
彼にその事を1から話した。
「それは大変だったね。」
彼は笑いもせず、真に頷くだけだったが、真剣に聞いてくれた。
「それでここで寝ようとしてたの?」
図星をつかれて、あたふたしていると、
「僕の家に来ない?」
最初は戸惑った。
私が行っていいのか、不審者では無いのかなど疑問が沢山頭に浮かんできてしまう。
「私なんかがいいんですか?」
小さい声でそう聞いた。
でも彼は
「君がいいんだ。」
彼はそう言ってくれた。