「私の席が…ない?」
初めて疑問を持ったのは私が高校2年生の9月1日だった。

私は、いつも通りの時間学校へと登校した。
「…え?」
私は思わず目を疑った。
そこには私の席はなく、私と目を合わせようとする生徒や教師はいなかった。
「あ…あの、私の席、知ってますか?」
私が訪ねても誰も答えてくれなかった。
教師にも話したが、答えてくれない。
しょうがなく私は家に帰った。

家に帰り、チャイムを押した。
「…はい?」
出てきたのは母親ではなく、中学3年生の弟。
星谷蓮だった。
「蓮、ただいま!」
私は家の玄関へと向かう。
その後1番先に耳に飛び込んだ言葉を聞いて私は動けなくなった。
「ピンポンダッシュかな…?」
蓮はそういってドアを閉めてしまった。
私の家族はあまり仲が良くなく、毎日両親は喧嘩して、そのストレスを私たち姉弟にぶつけるなんてことは日常茶飯事で、私たちは慣れていた。
その中でも私たち姉弟はまぁまぁ仲が良く一緒に遊んだりするような仲だった。
私自身仲良いと思っていた。
「…どうして?」
仲良いと思っていた弟にはドアを閉められてしまい、両親はいつも私たちを空気やサンドバッグとしてしか見ていない。