抱えていた子猫が小さくみゃーと鳴いていることにようやく気が付くと、私はゆっくりと目を開く。

子猫は私の腕から脱出しようと、苦しそうな表情で必死にもがいていた。


「いたた……ごめんね」


腕を解くと子猫は再び私にみゃーと文句を言ってから、腕からするりと抜け、仰向けになっているであろう私の胸の上で伸びをする。


「……大丈夫だった?ケガはない?」


なんて言ってみたけれど、当然この子には私の気遣いが届いていないらしく、せっせと身体を舐めながら乱れた毛並みを整える。こんなに小さいのに、なんて図太い性格なのだろう。とにかく。


「よかった……」


この子が無事で何よりだ。