「ねぇ、空澄(あすみ)
 そういえば……」


 時刻は十七時を回ったばかり。


 今は。
 空澄と一緒にソファーに座り。
 観ている、テレビを。

 そのときに。
 思った、ふと。


「今日の早朝、
 公園で空澄とばったり会ったでしょ」


 そのとき。
 言っていた、空澄は。
 散歩をしていたと。


「空澄と会うことができたから、
 今、私は空澄の家で過ごさせてもらうことができている。
 本当に感謝しかない」


 だけど。

 偶然、散歩をしていた。

 そのわりには。
 泊めてくれる、空澄の家に。
 それまでの段取り。
 良過ぎるような。


 それは。
 空澄の手際が良いから?


「あぁ、そのこと?
 公園(あそこ)で散歩してたこと、
 あれは偶然じゃねぇよ」


「え⁉」


『偶然じゃない』

 驚いた、空澄の言葉に。


 それなら。
 なぜ公園に?