「この時間に帰れば、
 気付かれない、よね」


 早朝。

 だから大丈夫。


 家族全員、寝ているはず。



 だけど。
 念のため、静か~に……。


 そう思いながら。
 玄関のドアの前に。












 不思議。

 入る、自分の家に。

 それだけなのに。

 なんだろう。
 この緊張感と後ろめたい気持ちは。


 そう思いながら。
 開ける、鍵を。
 ものすごく静かに。










 鍵は開き。
 第一関門突破。







 次は。
 開ける、ドアを。
 音を立てないように。





 まずは。
 握る、軽く。
 ドアノブを。


 そして。
 ゆっくりとドアノブを傾け。

 開ける、そーっと。
 ドアを。



 あとは。
 このまま足音を立てずに自分の部屋に戻れば……。