時刻は十時を回ったところ。

 多くの人が会社や学校で仕事や勉強をしている。


 そんな時間に。
 学校外にいる、自分が。

 それは、なんだか不思議な気持ちだった。



 平日。
 いつも当たり前のように過ごしていた時間。

 離れてみる、その当たり前から。


 そのことは。
 ない、違和感が。
 そう言えば噓になる。





 だけど。
 無理して走り続けて。
 心が酸素不足。
 そうなってしまう。

 その前に。
 少しだけ立ち止まって。
 呼吸をする、しっかりと。


 それは。
 必要なこと。
 そう思うから。












 私が向かったところ。
 それは近所よりも少しだけ遠くの場所にある公園。



 そこにしたのは。
 その方が現実から少しでも遠ざかることができる。
 そう思ったから。


 よく知っている場所。
 そういうところよりも。
 あまり知らない場所。

 いいと思った。
 そういう場所の方が。










 公園の中に入り。
 自販機でジュースを買い。
 空いているベンチに座る。







 今は六月の中旬。

 すでに。
 入っている、梅雨に。


 今日は梅雨の時期とは思えないくらいに快晴。





 皮肉にも。
 私の心の中の天気。
 正反対、それとは。


 私の心の中には。
 降り続けている、雨がじとじとと。
 いやらしいくらいに。

 湿度もかなりあり。
 不快度指数がヤバいくらいに高い。



 自然界の梅雨は。
 明ける、時期が来れば。

 だけど。
 私の心の中の梅雨。
 年中明けることはない。