今、自分の部屋にいる。










 だけど。

 今日は。
 違う、いつもとは。







 なぜなら。
 私の部屋のドアの前。
 そこに武藤さんと北山さんがいるから。





 出る、部屋から。
 そのたびに訊かれてしまう。
『どちらに行かれるのですか』と。



 今の私には。
 全くない、自由など。

 自分の部屋にいても。
 しない、全く。
 自分の部屋にいる気が。


 閉じ込められている。
 どこかの個室に。

 なってしまう、そんな気持ちに。












 今朝。
 帰らされた、家に。

 そのあと。
 いつものように。
 お父さんの説教。
 というか。
 始まった、侮辱が。


 今日の侮辱は。
 いつも以上だった。

 だから。
 高くなってしまった、今までで一番。
 心の二酸化炭素の濃度が。










 その後は。
 こもっている、ずっと。
 自分の部屋に。







 出た、自分の部屋(ここ)から。

 それは。
 洗面所、浴室、お手洗い。
 利用する、それらを。
 そのときのみ。





 食事は。
 持ってきてくれた、お母さんが。
 自分の部屋(ここ)まで。

 そのときの。
 お母さんの表情(かお)は。
 心配してくれている、とても。
 私のことを。
 見えた、そんな様子に。



 お母さんに。
『ありがとう』
 それから。
『心配させてしまって申し訳ない』
 混ざっている、それらの思いが。


 それから……。