「それから、
この二つのアイテムは、
『心が呼吸できる世界』に現在入っている人たちにしか見えないの」
惺月さんは。
「空澄くん、これ」
そう言って。
渡してくれた、蝶々とビー玉を。
惺月さんに。
「ありがとうございます」
そう言い。
受け取った、蝶々とビー玉を。
そうして。
「行ってきます」
そう言って。
出た、惺月さんの部屋を。
惺月さんは。
「いってらっしゃい、
気を付けてね」
そう言ってくれ。
見送ってくれた、俺たちのことを。
惺月さんは。
訊いてこない、細かいことは。
そういう場合は。
信じてくれている、俺たちのことを。
そういうことになる。
そのことが。
ものすごく嬉しいし感謝している。
そう思いながら。
俺たち四人は彩珠の家へ向かった。