六月の下旬。


 今日は晴れている。

 だけど。
 やっぱりこの時期は。
 感じる、蒸し暑さを。



『早朝なのに』

 暑い、こういう時間から。


 そうすると。
 昼間は……。

 そう思うと。
 してしまう、ぐったりと。



「こんなところにいたのか」


 している、ぐったりと。
 蒸し暑さに。

 そんなとき。
 聞こえた、背後から。
 聞きたくない声が。


 その声は。
 込められている、怒りが。
 地を這うように。



 聞こえた、その声が。

 その瞬間。
 恐怖で身体が固まってしまい。
 できない、逃げることが。





 近づいてくる。
 確実に。

 恐ろしいほどの威圧感。
 わかる、はっきりと。
 背後からでも。










 そして。
 放っている、威圧感を。
 その人物が私の目の前に。







 私はベンチに座ったまま。

 その人物は立っている。


 なので。
 見下ろされている、その人物から。
 そういう状態。





 そのときの。
 その人物の目つき。
 それは恐ろしいほどで。



 その人物から。
 逸らしたい、目を。


 そうしたくても。
 固まってしまっている、恐怖で。

 そのため。
 できない、逸らすことが。












 その人物は……。