歩いている、しばらく。

 そうして。
 着いた、私と空澄(あすみ)が夕焼けを見に来た場所に。







 ここには。
 ない、街灯は。


 だけど。
 変化している。
 空が真っ暗から薄暗く。

 だから。
 見やすくなってきた、ほんの少しだけ。
 外の景色が。



 この場所は。
 見渡すことができる、広い範囲を。

 なので。
 できる、十分に見ることが。
 朝焼けを。





 この景色に感動している凪紗と心詞(みこと)と響基は。
「あっちもいいよ、行ってみよう」
 そう言っている。

 そうして。
 私と空澄がいるところ。
 そこから少し離れた場所。
 行った、そこに。



「もうすぐ夜が明ける」


 凪紗たちは。
 離れている、少し。

 なので。
 二人きり、私と空澄は。


 そんなとき。
 聞こえた、空澄の穏やかな声。





 空澄の声は。
 魔法のよう。


 その声に。
 癒され。

 心が。
 穏やかになり。

 もらえる、元気を。



 包まれている、そんなエネルギーに。

 そのとき。


「きれい……」


 明けた、夜が。


 その景色は。
 美し過ぎて。

 出た、やっぱり。
 自然に言葉が。



 夕焼けも。
 素敵だった、ものすごく。


 そして。
 今見ている朝焼けも。
 溢れている、魅力に。


彩珠(あじゅ)


 見とれている、朝焼けに。

 そのとき。
 聞こえた、空澄のやさしい声が。


 その声にひかれるように。
 見た、空澄の方を。