8月。むせ返るような暑さ。俺は特にあてもなく街を歩いていた。
いつもと変わらない風景。いや…気づいてないだけできっと変わってる。変わってないのは俺のほうだ。
あの時からなにも変わってない。
高校の時に告白されて、付き合っていた人がいた。幸せだった。あの時までは。
交通事故で死んだ。彼女が気づいて、俺を庇ったからだ。
7月。割と暑い夏の夜だった。
それから仕事をサボるようになった。ショックだった。自分で自分を攻めた。死にたかった。
仕事なんかバカバカしかった。人一人幸せにできないのに接客業なんかできるわけがないと思っていた。
だから今日も仕事に行かないで遊んでいた。
でも、正直行く場所がない。金もない。
かと言って仕事をする気にはなれなかったし、家にいても気まずいだけだ。
橋を渡り終えて、ふと橋の下を見ると…
なにかいる?
橋の下に入ってみるとそこには…
猫がいた。
20匹くらいだろうか。
俺は昔から猫が好きだった。
俺はなにも考えずに猫と遊んだ。
少し気持ちが楽になったし、楽しかった。
すごく可愛くて、時間も忘れてかまった。