私は「なに?」とそっけなく答えると、義父は「食べた後の食器をシンクに持っていきなさい」と注意してくる。
反抗しようと思ったけど、このあとすぐにミナに連絡を取りたいので素直に従う。
私がシンクに空の食器を置き、二階の自室に戻ろうとすると、母と義父が何やら楽しそうに話している姿が視界に入った。
私はそれを見ないようにして、足早にダイニングを立ち去った。
ミナには明日デートだと言って断られた。
それ以外にも、仲良くしている友人に明日の予定を聞いてみるものの、合コンかデート。
家に泊まらせてくれる子どころか、遊んでくれる友人は一人もいない。
私はベッドの上でスマホの画面をじっと見つめたまま固まった。
そうだ。早乙女は暇なのかな。彼女いないって言ってたし。
だけど、早乙女と何して遊べばいいんだ。
ってゆーか、さすがに男子の家に泊めてもらうわけにはいかない。
じゃあやっぱ明日は、義父と……近澤と二人なのか。