私はもう高校生で、物事の善し悪しを判断出来る年齢だ。ほぼ大人と言っても過言ではない。
この状況で車道に飛び出したらどうなるかなんて考えれば分かるはずだ。今ここで私が自殺したら周りの人達に迷惑がかかることぐらい。

しかし、駄目だと分かっていてもいても、今の私にはこの自殺したいという気持ちを抑えられなくなっていた。
自殺願望が芽生えたのは今日が初めてではなく、ずっと前からあったのだ。

目の前で次々と車が通っている中、瞳を閉じて自分の人生を振り返る。

〝生きてていいことなんて何一つなかった〟
生まれ変わりが本当にあるのなら次は恵まれた環境に生まれたい。
いや、自ら命を断つ者にそんな願望をする資格はないのか。

大切な家族も、別れ難い友人もいない私はこの世に後悔していることなどなかった。

覚悟を決め、一歩踏み出す。



学校の目の前にある大きな道路は、歩行者用の信号が青になるまで時間がかかることで有名だ。
それとは正反対に、私の生涯はほんの一瞬だった。