ふざけたヨータが遊び半分で作ったそれは、ハッキリ言って物凄かった。
私のオッパイを縮小コピーしたかのような完璧な出来栄えに私は目を見張った。

「スゴイ!! ヨータ天ッッ才!!」
「そーかなあ。へへへ」

かくして、ギャグだったはずの胸像はお部屋のド真ん中に恭しく飾りつけられ、私たちは木彫りのオッパイとともにアーティスティックな日々をすごしていたのだがーーー
ある日を境に、オッパイは表舞台から忽然と姿を消すこととなる。
エアコン修理の業者さんに「素敵なオッパイですね」と微笑まれたことが引き金となって。

業者さんがしげしげと胸像を眺めていたのは、それが本当によくできた彫刻だったからだと思うのだ。
少なくとも私には、純粋に芸術鑑賞をしている人の表情のように思えた。

が、ヨータは違った。
業者さんの視線に大慌てで胸像を回収すると、「菜緒のオッパイを人目に晒すわけにはいかない」って、胸像をクローゼットの中へ厳重にしまい込んでしまったのだ。