「オレの荷物は?」
「半分くらいは処分して、残りは全部実家に送った」
「処分!?? 勝手に捨てたの!?」
「う、うん」
ガーンとショックを受けてヨータが固まる。
「オレの持ち物の・・何と何を捨てたワケ!?」
「雑誌とか日用品とか、いらなそうなモノ」
「ーーーいや、いるよね? 日用品失っちゃったらオレはどーやって生活すればいいの?」

しきりに首をひねっていたヨータが突然ハッと顔をあげた。
「アレは!? 菜緒の胸像は!??」
「ああ・・あれは実家に送っといた。一応作品だし捨てられないかなって」
ヨータがヘナヘナと脱力する。
「捨ててねーのか。ヨカッタああ・・・」

胸像なんて言ったらカッコよく聞こえるかもしれないが、なんのことはない、『菜緒の胸像』とは木彫りのオッパイのことである。