長いキスを終えて唇を離したヨータに聞いてみる。

「・・ねえ、なんで帰ってきたの?」
「そんなの、会いたいからにきまってんでしょ」
拗ねるような口ぶりでそう言いながら、無精ひげをジョリジョリと私に擦りつける。
「だいぶモノになってきたからもういいかなと思って。予定よかチョット早いけど」
「予定?? モノになるって何が?」
「焼き物」

「・・へ?」

なんのことだかサッパリわからない。
混乱して黙り込む私に、今度はヨータが質問をぶつけてくる。

「そーいえば、菜緒のあの部屋はなに!? 引っ越しでもするの?」

そのつもりだと頷くと、ヨータが愕然と目を見張った。

「なんで!? オレに何の相談もなく!?」
「???」

なぜ私を捨てて出て行ったヨータに引っ越しの相談をせねばならないのだろうか。わからない。