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大樹と肩を並べて歩くことなんてどうってことなかった。


家が近いし、ずっと一緒にいたし、行き帰りが偶然一緒になることはしょっちゅうだ。


「なんか、子供の頃を思い出すね」


歩きながら希はクスクス笑って呟いた。


「あぁ。昔はこうして毎日一緒に帰ってたよな」


「登校班があったからね」


「でも、班とか関係ないときも多かったなぁ」


大樹に言われて希はうれしそうだ。


自分とのことをちゃんと覚えてくれているのが嬉しい。


「それは大樹が寄り道ばかりするからでしょう?」


「そうだったなぁ」


懐かしそうに目を細める大樹はカラカラと笑い声を上げる。


その表情に希の心はようやく晴れていくようだっった。


「ねぇ大樹。もう萌と関わるのはやめなよ」


「……は?」


突然の言葉に大樹は目を見開いて足を止めた。


「今の大樹、全然楽しくなさそうなんだもん」


視線をそらしながら、唇を突き出して駄々っ子のようにいう希。


「なんだよそれ。なんでそんなこと言うんだよ」