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萌はまた退院していった。


その後の院内で、萌の担当医はカルテを見つめて首をかしげている。


最初に萌を診察したとき、たしかに彼女は末期がんだった。


若さも手伝い、これからどんどん進行して行くと予想されていた。


実際そのとおり昨日病院に運ばれてきたときには症状が重く、このまま入院することになるだろうと考えていた。


それが今日の検査では全く異常が見られなかったのだ。


「こんなことはありえない……」


担当医は険しい表情でそう呟いたのだった。