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一睡もできないまま朝が来た。
体は健康そのものだけれど食欲はなくて、両親に『今日は早く学校に行かないといけないから』と、嘘をついて家を出た。
両親の顔を見ていると嫌でもなにかがあったのだとバレてしまう。
けれど今の萌にはまだ大樹にされたことを話すのが辛かった。
「萌、大丈夫?」
少し早めに学校へ到着したはずなのに、すでに希が教室にいて、寝不足顔の萌を見て驚いた声をあげた。
「うん……」
大丈夫だと伝えたかったけれど、言葉は途中で詰まってしまった。
そして涙がこみ上げてくる。
何度も思い出した昨日の場面を、また思い出してしまう。
「希……どうしよう、私……」
萌は希に抱きついて昨日見てしまったことを切れ切れに説明したのだった。
一睡もできないまま朝が来た。
体は健康そのものだけれど食欲はなくて、両親に『今日は早く学校に行かないといけないから』と、嘘をついて家を出た。
両親の顔を見ていると嫌でもなにかがあったのだとバレてしまう。
けれど今の萌にはまだ大樹にされたことを話すのが辛かった。
「萌、大丈夫?」
少し早めに学校へ到着したはずなのに、すでに希が教室にいて、寝不足顔の萌を見て驚いた声をあげた。
「うん……」
大丈夫だと伝えたかったけれど、言葉は途中で詰まってしまった。
そして涙がこみ上げてくる。
何度も思い出した昨日の場面を、また思い出してしまう。
「希……どうしよう、私……」
萌は希に抱きついて昨日見てしまったことを切れ切れに説明したのだった。