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「わぁ~! 我が家だぁ!」


父親の車から出て家に入った萌は大きな歓声を上げた。


今度の入院は様々な検査を受けたため、少し長い入院になってしまった。


そのため家に戻ってきた瞬間懐かしさがこみ上げてきた。


リビングのソファに体を投げ出して家庭特有の香りを思いっきり吸い込んだ。


病室に漂っている点滴の匂いとは全然違う、暖かくて自分にもっとも馴染んでいる匂い。


「学校はいつから行くの?」


車から荷物を運びながら母親が聞いた。


「もちろん、明日から行くよ!」


ソファから飛び起きて答える。


こんなふうに少し派手な動きをしたって、今の萌には平気だった。


しっかり検査をして薬の配合を変えてもらったのがよかったのかもしれない。


「大丈夫なのか?」


母親の後かあらリビングに入ってきた父親は少し心配そうにしている。


「大丈夫だよ。先生だって学校にいくことを許可してくれたんだから」


確かに今の萌を見ているととても元気そうに見える。


しかし親としては萌を目の届くところへ置いておきたいとも考えてしまうのだ。


「今回も部活には出ずに真っ直ぐ帰ってくるし、体育の授業は見学する。なにかあったら担任の先生にすぐ連絡する。これでいい?」


萌は今までに決めてきたことを披露した。