感想ノート

  • 恋愛未経験な二人が、不器用ながらもお互いに惹かれ合って結ばれていく、然も男性には失われた母国の再興を目論むという、単なる恋愛ファンタジーでない壮大な野望が見え隠れし、目の離せない展開に心を揺さ振られながら読み進めてしまいました。
    しかも、伊月の那美に対する感情の変化(欲望の膨らみ)と、それを抑え込む理性との葛藤、結婚まで待つと自ら律しておきながらも、周囲からの進言を受けながら、婚前交渉に至った展開には、他の物語では見られない、本能の正直さに共鳴しつつも、どこか引いてしまう思いも感じました。
    また、どの物語でもそうですが、幼少時にお互い面識があり、時を経てその事を思い出す描写には、いつも興奮してしまいますが、今作品では、何故幼少期に知り合えたのかが、不明瞭にお思えてなりません。
    且、主人公の巫女の力、異能ともいうべき超能力が、異世界に来たからとか、異性の影響で発現するとか、あまりに唐突すぎると感じます。しかも異世界に迷い込んですぐ無意識の内に発動されるとは、突飛すぎるのではと思います。
    追伸、裏話として、別の登場人物の感情(他の側面)を描く手法に面白いと思いますが、物語の先を知りたく読み続けるには、同じ描写を見せられブレーキを掛けられた心境でした。

    まさひろ 2023/11/12 12:53

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