碧斗が何のことかわからずに柚子を見る。
「碧斗くんとまた付き合うにはどうしたらいいか、彼に相談してたんだよね。そしたら、碧斗くんの望みを叶えればいいって教えてくれたから、中庭でああ言ったんだけど」
 まるで、碧斗が柚子と寝たいのに拒否されたから別れたとでもいうような言い方に、碧斗は慌てて否定する。
「いやいや確かに柚子とそういうこともしたいけど、それだけじゃなくて……」
「付き合ったのは、碧斗くんが人気者だからだけど、でも、私が抱き合ったりキスしたりできるのは、碧斗くんとだけなんだよ。ほかの人とは考えられない」
「そっか」
 碧斗はなぜか納得して、柚子を再び強く抱きしめた。