ずっと、私なんかって思ってた。誰にも好かれなくて、家族に迷惑かけて、いらない存在だと思っていた。

 でも、あなたの一言が、私からそんな思考を消し去った。
 あの言葉を、私は今も、そしてこれからもずっと忘れない。

『抄華こそ、私が求めていた人だ』

 澄んだ瞳から伸ばす真っ直ぐな視線を私に送ってくる彼の姿は、他のどんなものよりも美しく、そして心ときめかせた。

 ありがとう、私を選んでくれて。
 ありがとう、私を見つけてくれて。