この笑顔がまた見られるとは思っていなかった。

 この先も、ずっと見ていたい。そう思った。

 だから僕は、

 「あのさ、穂花。良かったら、また連絡先を教えてくれないかな」

 「知らなかったっけ?」

 「ごめん、実はあの時全部消しちゃったんだ」

 「あっはっは!楓らしい!」

 「だって、まだ話し足りないし」

 「可愛いな、おい!」

 「じゃ、じゃあもういい……」

 「冗談だって。楓とまた話せるんだね、嬉しい!」

 この笑顔をもう絶対に失わないと、強く誓った。


 ー完ー