「文芸部……。」


私、赤佐百合音(あかさ ゆりね)は、文芸部の部室、国語準備室の前に突っ立っている。


高校1年生。成績は、自分で言うのも恥ずかしいが、特待生なので優秀なはず。


先日、私はテニス部を辞めた。たった3ヶ月で。


なぜなら、頑張ってもうまくいかないから。


部活があるヒは閉門ギリギリまで、そうでないも近所のテニスコートで、誰よりも長く、そして一生懸命やっていた。


それなのに、校内ではサボってばかりの子に負け続け、大会の成績もどれだけ良くても、初戦敗退。


影では、「あんなに頑張っているのにかわいそーwww」。


大人たちは皆「もうちょっと頑張ってみたら?」と無責任に言う。


結果がこれだったら私にはもう無理。





頑張っても勝てないなら、やっても無駄なんだから。