今回は子供向けなので、ピンクのヒペリカムにバラ、ヒメヒマワリに、カスミソウに姫リンゴ、といった可愛らしい花材で小さめのブーケタイプの花束を作っていた。

桃色のラッピングペーパーにラメ入りのセロハンの二枚重ねて、持ち手のリボンは白やピンクや黄色とバラバラだ。

現在14個目を作り終えたところで、順調に進んでいる。

「梨華ちゃん、いよいよ結婚するんだな」

そう言ったのは、一緒に花束を作っていた新垣海斗(あらがきかいと)だ。

彼は“belle”のマネージャーで、時々父のアシスタント業務も行っている。

海斗君は元々父の生徒で、花に携わる仕事がしたいとフラワーコーディネーターの資格の取れるデザイナー科の専門学校を出て以来、フローリストとして働いている。
“belle”は都内に3店舗あるのだが、彼はすべての店舗を任されている。