時はあっという間に過ぎ、結婚式の3日前。

父には、「式の前なんだから休みなさい」と、言われたけれど、私は落ち着かず“belle”で働いていた。

それに今日は前々からの注文を多く承けていて、休むわけにはいかなかった。
今も15個の花束を18時までに作らなければならず、忙しい。

花束の用途はバレエ教室の講師が生徒へ贈るもの。
花の種類や色などもすべておまかせだった。

おまかせで承けた花束やアレンジメントを作るときに気を付けなければならないことが、自分の好みに寄り過ぎないことだ。
私はラベンダー色が好きなので、パープル系の色を使用しすぎないよう心掛けている。

というのは、働きはじめの頃、用途が結婚記念日だったにも関わらず、薄紫のトルコキキョウとルリタマアザミ、白のミニバラにチューリップ、水色のデルフィニウムにブルースターの組み合わせで花束を作り「供花みたいだね」と、言われて作り直した前科があるため、非常に気を付けている。