高校に入学して四ヶ月、三組のカップルが誕生し、それぞれ幸せな高校生活を送っている。
私と瑠美ちゃんの関係は修復された。あの日、本音を打ち明けたお陰で、今まで以上に深い関係になった。
入学当初から険悪な雰囲気だった凛ちゃんと瑠美ちゃんも、ズバズバ本音を言い合う仲となり、いつも私が間に挟まれて、たじたじになっている。
それを見つめる男子達。それぞれ性格は違うけど、共通していることが一つある……。それぞれ、彼女のことが大好きでしょうがない、ということ。
「理沙ちゃん、健気で可愛いんだよなぁ」
翔が呟くと、競うように尚人が言う。
「凛ちゃんのあのクールなのに、時々見せる情熱的な所がたまらない!」
「皆、一番だろ! それぞれ良いところもあるし」
二人をまとめるように大佑が言う。それを尚人が称賛する。
「さすが、まとめ役の大ちゃん、良いこと言うわぁ」
「確かに! そういえば、理沙ちゃんの記憶戻って良かったね。まぁ戻ったところで、彼女の彼氏は俺だけどね。ムフフ」
「何だよ、その気持ち悪い笑い。理沙を泣かしたら、即離婚だからな!」
「また出たよ、大ちゃんの父親の気取り。そんなに娘に依存してたら、嫌われるぞ」
呆れ顔の翔。尚人は、大佑に同情して泣き真似をしながら茶化す。
「父親って悲しい生き物だね……」
「父と娘は、特別な固い絆で結ばれてるんだから、嫌われても大丈夫だよ」
三人の男子達は、冗談を言い合いながら笑い出す。
これからも私達は笑ったり、泣いたり、怒ったり、沢山の壁に直面するだろう。
でもきっと大丈夫! そう思える仲間と大事な人に出会えたから。
皆、自分らしく思うがままに生きればいい。