とても晴れていたから、カーテンを買うのも絶好のタイミングで、死ぬのもベストタイミングだと思った。
「うん、今日だ」
 死が、呼吸するのと同じぐらい、自分に自然とまとわりつくようになったのはいつからだろう。
 紺色の制服に身を包み、飴色のローファーにつま先を滑らせる。
「いってきます」
 きっと、これが人生で最後の「いってきます」だ。
 そう思いながら、雲ひとつない空の下に身体を捧げた。
 快晴。私──綿世三春(わたせみはる)の命日──の予定。