「――私が生徒会長に立候補する理由を挙げるならば、答えはたった一つ。
 この学校に在籍するすべての生徒、先生がたを応援したいからです!

 義務教育の枠を越えてもなお学ぶことを選び、社会に立ち向かう準備をする中で、時に学びから目を逸らし、友人たちとの関係にズレが生じてしまう、この甘酸っぱくほろ苦い人生の思春期に突入したからこそ、私は多くの人が前を向き、お互いの手を取り合うべきだと思うのです。

 長い人生で一度しかないかもしれない高校生活を有意義に過ごすために、私は生徒の先頭に立って学校と話し合い、皆さんと共により良い校風を作っていきます。

 学年なんて関係ありません。歴代の先輩がたには屈しません。副会長ではダメなんです。一番説得力のある生徒会長だからこそ、私が立候補する意味があります。

 だからこそ、皆さんにこの場で宣言します。

 授業は先生とご相談させていただいたうえで質疑応答がしやすく、かつ生徒と教師が共に意識を高め合うより良い環境へ。

 さらに部活動との文武両道を両立させ、全国大会への出場という目標を達成へ導けるよう、サポート体制を整えます。

 もちろん、生活に良い影響をもたらすのであれば、個人的な相談も受け付けましょう。以上を踏まえ、皆さんの輝かしい高校生活が充実し、有意義なものになるよう、より一層尽力いたします。

 ――しかし、これだけは覚えていてください。

 あくまでも私は、応援する側であるということ。

 決めるのはあなたです。精一杯の手助けはします。それからどうするかはあなた次第です。

 すべて言葉にすれば思い通りに叶う環境なんてつまらないでしょう! 甘いことを言っている誰かがいるのなら、私がその性根を叩き直してみせます。誰だろうと負けません。

 私は生徒会長として、あなたの高校生活を誰よりも応援します!」