「真壁くんが……」

「連絡取るかどうするかは、倉田、お前が決めろ」

「真壁くんは、いつ、アメリカから戻るんですか」

「期間は未定らしいぞ」

「そうですか」
私は本郷部長から渡された、真壁くんのメモを握りしめて、迷っていた。

謝りのメールだけ入れておこうかな。

そうよ、あとは頑張ってくださいって終わりにすれば、もう連絡して来ないよね、きっと。

私はその夜、アドレスを入れた。

そしてメールを打った。

『倉田静香です、本郷部長からアドレス頂きました、お忙しいところ申し訳ありません、色々ご迷惑をおかけして、すみませんでした、これからはアメリカ支社でのご活躍を期待しております』

しばらくして真壁くんからメールが届いた。

『静香、メールありがとう、めっちゃ嬉しいよ、飛び上がって喜んじゃった、親父からアメリカ支社で人手不足だから、アメリカ行って来いって、急に、酷いよな。静香には挨拶も出来ずにこっち来ちゃってごめん』

どうしよう、返事。