友梨ちゃんは既に入荷を済ませ、準備してくれていた。

「ごめん、あゆみが具合悪くて今日は休ませたからよろしく」

「おはようございます、わかりました、あゆみさん大丈夫ですか?」

「ううん、どうなんだろうな」

「もしかしておめでたですかね」

俺は最近店の事で頭がいっぱいですっかり、子供のことは頭から消えていた。
「えっ?そうかな」

俺は自然と頬が緩んだ。

その頃、あゆみは夕食の買い物に出ていた。

「あゆみさん」

あゆみに声をかけたのはヒカルだった。

「ヒカルくん、これからお仕事?」

ヒカルは店外デートのため待ち合わせの場所に向かっている所だった。

「お客さんと待ち合わせです」

「そうなんだ、久しぶりに見るなあ、その格好」

「麻生さんはスーツは全く着ないんですか?」

「そうだね」
「あっ、お店オープンおめでとうございます、麻生さんも初めから言ってくれたら誤解しないで済んだのに」

「ありがとう、私をびっくりさせたかった見たいね」