俺は何もなくなった自分に自信がない。

生活面ではなんの心配もないが、何かあゆみに子供以外に残してあげたいと、ずっと考えていた。

「今日一緒に買い物行くか」

「はい」
俺はあゆみと買い物に出かけた。

路面店の花屋の前を通りかかると、あゆみは「ちょっと寄ってもいいですか」と俺に伝えた。

あゆみは目を輝かせて、花を見ていた。

加々美の店を無理矢理辞めさせる結果になって、あゆみは残念だっただろう。

俺はある事を思いついた。

次の日、すぐに実行に移した。

「あゆみ、俺出かけてくるな」

「はい、どこに行くんですか」

「うん、仕事探し」

「わかりました」

この時あゆみは俺をホストに戻そうと考えていた。

あゆみは俺が出かけた後、ヒカルのところへ足を運んだ。

「あゆみさん、どうしたんですか、麻生さんはどうしたんですか」

「仕事探しに出かけたの」

「ホストなら引っ張りだこなのにな」

「そうだよね、私が無理させてるよね」