典子のことは可愛そうだと思うけど、ここはおとなしくジュースを書い直してくるのが得策だ。


2人を敵に回せば今よりももっと面倒なことになる。


しかし、このクラスでそういうことが起こることは滅多になかった。


様子を見ていたゆりえも自体を把握したようで、すぐに3人へ向けて歩き出した。


私は慌ててその後をついていく。


「ジュース、また通路に置いてたんじゃないの?」


ゆりえは3人に近づくと同時に呆れた様子でアンナへ向けてそう聞いた。


アンナはなにか言い返そうとしたけれど、ゆりえにジッと見つめられて「……そうだね」と小さな声で白状した。


ゆりえは決して怒っている様子は見せない。


ただ、おかしいことをおかしいと相手に伝えているだけなのだ。


けれどハキハキした性格に、王子様と呼ばれている容姿が加わり、アンナとジュリでさえ強く出ることができないでいる。