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たったそれだけのことで私とゆりえへのイジメはなくなった。


もともとアンナとジュリがゆりえのことを慕っていたことも要因となっているかもしれない。


ある日のグラウンド。


用事があって教室から出てきていた私は水飲み場で美奈に会った。


美奈は下の蛇口から水を出して足を洗っている。


また怪我をしたんだろうかと確認してみたら、ドロがついているだけだった。


ホッとして美奈の足から視線をあげると、やっぱり美奈自身が輝いているように見えて心臓がドクンッとはねた。


好きという気持ちはそう簡単には私の中から出ていってくれないみたいだ。


「最近どう？」


声をかけると美奈は顔をあげ、そして驚いたように目を丸くした。


「……別に、普通」


そっけなく返事をしているけれど、少し声が震えていた。