と、同時に自分の制服についていたゴミを掴むと美奈めがけて投げつけたのだ。


「キャア！」


美奈が叫び、周囲にいた友人たちも逃げ出す。


ゴミは床に落下して踏みつけられた。


「これが今日私がやられたこと。そんな悲鳴を上げるほど嫌なことだったんだよね？　その現況を作ったのは誰？」


ゆりえの言葉は淡々としていて突き刺さる。


美奈は顔を真赤にして怒りを顕にしたけれど、下唇を噛み締めて押し殺した。


「あんたのやり方も、身を守るためには必要だと思う。だけど、やり方は他にもあったんじゃないの？」


美奈の強さを見抜いているゆりえは容赦なく言葉を続けた。


美奈は大きく息を吐き出すと「色々なことに首突っ込んで逆恨みをされるのはゴメンだから」と、何かを思い出すようにつぶやいた。