☆☆☆

ゴミがついたままの格好でやってきたのはB組の教室だった。


こんな格好で、しかも手をつないでB組になんて入ったらなにを言われるか!


そう感じて必死にゆりえをとめたのだけれど、無駄だった。


ゆりえはB組の入り口の前で立ち止まり中を見回したあと、私の手を引いて教室内に入っていった。


突然の訪問者に一瞬生徒たちの会話が止まる。


みんなの視線が集まって逃げ出してしまいたい衝動に駆られる。


それでもゆりえは腕を離してくれなくて、教室の中央まで来ていた。


「これで満足?」


ゆりえのその言葉に視線を向けると、そこにいたのは美奈だった。


私がイジメられるようになってから顔をあわせていなかったから、久しぶりに会った気がする。


美奈の顔を見た瞬間心臓がドクンッと高なる。


こんなことになっているのに、やっぱり私は美奈のことが好きなのだと再確認させられる。


美奈の隣にはB組の生徒が3人いて、みんなでおしゃべりをしていたみたいだ。


そのせいか美奈の表情は以前よりも生き生きとしている。