嫌な予感がして席から立とうとしたけれど、ジュリたちの仲間に肩を押さえつけられて動けなくなってしまった。


ゆりえも両端をジュリの仲間に囲まれている。


「掃除なら自分ですれば?」


ゆりえの声は震えていない。


本当に全く恐怖を感じていないのか、まっすぐにジュリを見つめている。


ジュリは一瞬ひるんだように見えたけれど、すぐにまたさきほどの笑みを浮かべた。


ゆりえがどれだけ強がったところで、人数では確実に負けている。


私と一緒にいることでゆりえ自身の人望も薄くなっているから、助けも来ない。


「ちょっとくらい手伝ってよ、王子様」


ジュリはそう言うとパンパンにゴミが入ったゴミ箱をゆりえの頭の上でヒックリかえしたのだ。


ドサドサとゴミが落下して、ゆりえの頭や制服につっくいていく。


「ゆりえ!」