今はまだ噂程度だけれど、確実に日々エスカレートして行っている。


今では後輩の子たちでさえ、ゆりえに話しかけなくなっているのだ。


本人はそれについて別に気にしている様子はないけれど、変化は感じているはずだ。


ゆりえはまだなにか言おうとしたけれど、その前にアンナとジュリのふたりが近づいてきた。


なにかよからぬことを考えているのは、ニヤついた表情を見ればすぐに分かる。


私は緊張してしまい、思わず逃げ腰になる。


しかしゆりえは真っ直ぐにふたりを見つめた。


「そこのカップル。いちゃいちゃしてる最中に悪いんだけど、掃除手伝ってくれない?」


そう言うジュリの手にはゴミ箱が持たれている。


だけど掃除時間は放課後のはずだ。