私へのイジメが蔓延するのにそう時間はかからなかった。


女子校内。


恋愛関係。


同性愛。


それらはたくさんの生徒たちの興味の的で、私は女子校の秩序を乱す者として認識された。


「あの子が噂の子?」


「そうだよ。気をつけないと、キスされるかも」


「もう誰か襲われたって聞いたけど」


「トイレで美奈が襲われそうになって、それをミナミと幸子が助けたらしいよ」


さすがに最後に噂については否定した。


私が悪者になって、あのふたりが正義の味方だなんて許せなかった。


そもそもあのふたりが美奈を追い詰めたりしなければ、こんなことにはならなかったんだ。


「つらそうな顔してる」


そう言われて席についたまま顔をあげると、ゆりえが立っていた。


人につらそうな顔してると言ってきゆりえもまた、つらそうな顔をしていた。