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「あんた、同性愛者なんだって?」


教室へ戻った瞬間そんな声が聞こえてきて青ざめた。


相手はアンナとジュリだ。


ミナミと幸子にバラされている時点で、もう学年中、いや学校中に広まっていると考えて置いたほうがよかった。


私はアンナとジュリを無視して自分の席へ向かう。


しかし途中で通路を遮られて立止ざるをえなくなってしまった。


昨日まで仲のよかったクラスメートへ視線を送ってみても、みんなすぐにそらしてしまう。


今私を見ているのは好奇心旺盛な目だけだ。


「女子校に入学したのって、恋人作りのため?」


ジュリが後ろからそう声をかけてくる。


「違う!」