なにかやましいことがあるから答えることができないのだ。


でももういい。


一刻も早くこの場から立ち去りたい。


気持ちをバラされたことも、美奈に裏切られたことも衝撃的で、少し冷静にならないといけない。


「今朝一番に私達に今の話を売ったんだよ」


答えられない美奈の代わりにミナミが言った。


その顔は悪意に満ちた笑顔が浮かんでいる。


もういい。


なにも聞きたくない。


そう思うのに足がうまく動かなくて、この場から逃げることもできなかった。


「『面白い情報をあげるから、もう私をターゲットにしないで』ってさ」


幸子がミナミの言葉を引き継いで言う。


「それ、本当のこと?」


ゆりえが美奈に質問する。


しかし、美奈はやはり答えられない。