けれどそれはあまりにも突然なことで、反応することができなかった。


私は目を大きく見開いて石みたいに固まってしまった。


それを見たふたりが声を上げて笑い出す。


「その反応! やっぱり美奈の言ってたこと本当だったんだぁ?」


幸子に言われてハッと息を飲む。


教室を見回してみると、後方にいた美奈と視線がぶつかった。


しかし、それはすぐにそらされた。


「あんた、昨日美奈に告白したんだって? しかもトイレで!!」


ミナミがおかしそうに笑いながら言うと、B組全体が笑い声に包まれた。


全身から血の気が引いていくのを感じる。


立っていられなくなって、今にも倒れてしまいそうだ。


私はB組のドアに右手をかけてどうにか倒れるのを阻止した。


「大丈夫?」


ゆりえに聞かれても頷きかえすことしかできない。


確かに昨日私は美奈に告白をした。


だけどまさかこんな風に広がるとは思ってもいなかった。