昨日は一睡もできずに朝になってしまったから、顔はむくんで目の下にクマができている。


今朝は鏡を見るのだって嫌だった。


私は昨日の出来事をかいつまんでゆりえに話した。


トイレで美奈がされていたことを話すと、ゆりえは眉間にシワを寄せて腕組みをした。


「やっぱり、そういうことがあったんだね」


「うん。しかも、美奈が……」


そこまで言って頭から水をかぶっている美奈の姿を思い出し、言葉が詰まった。


胸が苦しくて上手に言葉が出てこなくなる。


「どうにかしてあげたいけど、クラスが違うと難しいね」


「そうなんだよね」


同じクラスであればゆりえがいる。


王子様キャラのゆりえが注意をすれば大抵の生徒は静かになる。


だから私達のクラスではイジメらしいイジメが起こらないのだ。


「ちょっと、行ってみる?」


ゆりえの言葉に私は首をかしげた。


「行くって、まさかB組に?」