あの告白は間違いだったんじゃないか?


帰宅してからも朝起きてからも私の頭の中にはずーっとそのことばかりが浮かんできていた。


あんなずぶ濡れの美奈を目の前にしてほっておけなくて、つい気持ちが暴走してしまった。


美奈は単純に私に助けられたと思って、抱きしめられたまま抵抗しなかったんだ。


それなのに、その後告白するなんて……。


美奈からすれば、じゃああのときのハグはどういう意味があったの?と、疑問になるはずだ。


「失敗したかも」


自分の席で突っ伏して自己嫌悪に陥っていると、ゆりえが近づいてきた。


「なにを失敗したって?」


質問されて顔をあげると、ゆりえがギョッとした表情を浮かべた。


「どうしたのその顔」


「私そんなにヒドイ顔してる?」


ゆりえは容赦なく頷く。