「こんなときにこんなことを言うのはどうかと思うけど……」


でも、今伝えなきゃいけない。


それくらい大切なことだ。


「私、美奈のことが好き」


自分の言葉を自分で聞いて少し不思議な気持ちになった。


女の子が女の子に告白するシーンはテレビや映画で見たことがある。


だけどそれが自分自身に降り掛かってくるときがくるなんて、思ってもいなかった。


美奈は大きく目を開き、それから「冗談だよね?」と笑った。


その態度に胸がチクリと痛む。


でもきっと、誰だって同性から告白されれば同じような態度になると思う。


ゆりえみたいな王子様キャラならともかく、私はそうじゃない。


ましてや美奈との面識もうすすぎる。


「本当だよ」


出してしまった言葉は引っ込めることはできない。


それに、自分の気持に嘘をつきたくはなかった。